那珂川の天然アユが危ない! -霞ヶ浦導水事業・那珂川取水口建設問題-
皆さん知っていますか? 霞ヶ浦と那珂川を結ぶトンネル水路の那珂川取水口着工をめぐって、茨城・栃木の関係漁協と国交省が鋭く対立しています。これは「ムダな公共事業」の典型で、那珂川の生態系に計り知れない影響をもたらし、日本一の漁獲量を誇る那珂川の天然アユは、壊滅的な打撃を受ける可能性があります。私は、那珂川でアユの友釣りを覚えたこともあり、ヤマベでも大好きな川です。この川が壊されるのを黙ってみていることはできません。つり人として、何らかの形で建設反対運動に参加したいと思っています。皆さんも、協力していただける方があれば、是非お願いします。
以下、国交省のホームページや、最近の新聞記事より一部抜粋して紹介します。(佐近津里彦)
【霞ケ浦導水事業地元説明会 /栃木】★毎日新聞 2008年4月17日 地方版より
◇那珂川の水質、漁業に悪影響懸念−根強い市民の拒否反応
「那珂川の清流とアユ・サケなどの魚は、市の自然環境のシンボルで、後世に引き継ぐ大切な自然・観光資源」。大田原市はそう位置づける。その環境が守れるかどうか、国土交通省が進める霞ケ浦導水事業で揺らいでいる。国交省は15日夜、同市で県内初の市民向け事業説明会を開き、計画の概要や、那珂川への影響対策を説明し、理解を求めた。しかし市民の拒否反応は強く、環境汚染や漁獲減などを懸念し、計画に反対する声が続出。不安の払しょくには至らなかった。清流・那珂川の環境はどうなるのか−−。【柴田光二】
那珂川の取水口建設予定地は下流域(水戸市渡里町)だが、上流部でも影響が心配され
るのは、那珂川と霞ケ浦の水を相互にやり取りする計画だからだ。まず取水の際に、ふ化したばかりの数ミリのアユ、サケの稚魚が吸い込まれ、天然資源が枯渇するのではないかと心配されている。
国交省は、対策として「吸い込みの流速をゆっくりとし、アユが川を下る期間には取水時間を制限。推定1%の吸い込みには補償で対応する」と説明した。
霞ケ浦からの逆送水で、汚れた水や那珂川にいない外来魚が流入する問題では「砂ろ過施設を設置して水中の浮遊物質の量を減少させる」ことや、「外来魚の卵をろ過装置で捕捉する」方針を表明。また逆送水は那珂川の渇水時の短期間に限られる、と説明した。
特に、吸い込み防止対策では、学識経験者らによる試験検討委員会を今年2月に設置するなどして、積極的に取り組んでいることを強調した。
しかし市民側からは、事業に対する不安の声が相次いだ。「霞ケ浦の水の逆送で、外来種、汚染物質、細菌が流入したらどうなるんだ」「計画発表や着工から
20年、30年たったのになぜ今まで説明会ができなかったのか」「なぜ43キロも離れた那珂川から取水しなければならないのか」との疑問がぶつけられた。
1900億円にのぼる事業費にも「当初の計画から状況が変化しているのに、事業は縮小しないのか」「本当の目的は霞ケ浦の浄化ではなく、工事をやりたいだけではないのか」との指摘が続出。「なぜ、栃木が犠牲にならなければならないのか」との声も出た。
国交省は説明会で、住民の不安や懸念については今後、試験検討委員会の場で話し合いたいとの意向を示した。栃木、茨城両県の漁協代表者に委員会への参加を以前から求めてもいる。ただ、計画前進につながることを警戒する漁協側は、委員会への参加を拒否。独自に学識経験者を交えた対策委員会の設置を検討している。説明会での話し合いは終始かみ合わず、立場の溝は埋まらなかった。
説明会終了後、参加した市民の一人は「霞ケ浦の水の逆送などとんでもない。アユやサケは生まれた川のにおいを頼って帰ってくる。霞ケ浦の水が混じったのでは環境が変わり、遡上(そじょう)しなくなってしまう。そんなことになったら影響は計り知れない」と怒り込めて語った。
市長代理で出席した蓮実浩副市長は「地元の肉声を届ける良い機会だった。那珂川の生態系を限りなく守ってもらうため、今後の取り組みに反映させてもらいたい」と話した。
【27日に建設中止求め仮処分申請 霞ケ浦導水事業で7漁協】★産経ニュース(2008.3.22)より
国が進める霞ケ浦導水事業で、水戸市内の那珂川取水口の建設に反対する那珂川漁協(城里町)など茨城、栃木両県の7漁協は21日、建設差し止めを求める仮処分を27日に水戸地裁に申し立てることを決めた。
漁協側は、取水口によるアユの稚魚吸い込みや、霞ケ浦の汚濁した湖水流入による悪影響を懸念。「一方的な事業の強行は許されない」と主張している。
一方、国土交通省霞ケ浦導水工事事務所は「仮処分申請についてはコメントできない」とし、「実際の取水口で対策効果を確認していただきたい。外部委員会への参加も引き続き呼びかける」と話した。
取水口は幅50メートル、縦2.5メートルで約15億円の費用をかけ、今年4月にも着工する予定。霞ケ浦導水事業は昭和59年に着工。霞ケ浦、那珂川、利根川を総延長約46キロのトンネルで結び、相互に送水する。総事業費は約1900億円。
【那珂川取水口の工事中止求め漁連が国へ1万6千人の署名提出】★下野新聞(2008.4.8)より
国土交通省が進める霞ケ浦導水工事事業の那珂川取水口(水戸市渡里町)建設をめぐり、建設に反対している本県の那珂川漁連(金子清次会長)は七日、現地の那珂機場で、工事中止を求める署名約一万六千人分を同省に提出した。
漁連を構成する四漁協の正副組合長ら九人が出席。金子会長は「河川環境の悪化を心配する国民の総意で取水口建設に断固反対する」と述べ、国交省担当者に署名を手渡した。
意見交換で漁協側は「(総事業費の三分の二を既に消化してしまって)残りの事業費で事業を終えられるのか」「(霞ケ浦から送水する予定の)十一トンの水を一瞬でろ過できるのか」などの事業への疑問点を並べ、工事中止を訴えた。
国交省側は「希望は上部機関に伝える。実物大施設での取水を実際に見て安心してほしい」などと回答、工事継続の姿勢を示した。
署名は先月七日から十九日間行い、漁協関係者や連合栃木那須地域協議会などが協力。釣り具メーカーの展示会などで一般市民にも呼び掛け、茨城や埼玉県など県外からも集まった。
金子会長は「『環境を守りたい』という国民と漁民の声を聞き入れ、国は勇気を持って取水をやめてほしい」などと話した。
★国土交通省 関東地方整備局 霞ヶ浦導水工事事務所のホームページより抜粋
【那珂川、霞ヶ浦、利根川の水を地下トンネルを通じてやりとり】
事業では那珂川下流部、霞ヶ浦および利根川下流部をつなぐ地下トンネルを建設し、相互に水をやりとりします。それぞれの河川に必要な水量を残した上で、余裕のある水を有効に活用し河川の流況を改善します。

霞ヶ浦導水事業では、那珂川下流域と霞ヶ浦を結ぶ那珂導水路(水戸市渡里地先〜土浦市湖北町地先、延長約43km)、利根川下流域と霞ヶ浦を結ぶ利根導水路(稲敷市結佐地先〜稲敷市上須田地先、延長約2.6km)の2本の導水路整備します。
導水路は深さ20〜50mの地中に設けられます。那珂導水路では那珂川から霞ヶ浦、霞ヶ浦から那珂川、利根導水路では利根川から霞ヶ浦、霞ヶ浦から利根川の双方向の導送水を行います。
【霞ヶ浦導水事業の目的は次の3つです】
◎水質浄化◎那珂川、利根川からの導水により、霞ヶ浦や桜川などをきれいにします。
◎水不足の軽減◎
お互いに水を行き来させることで、那珂川と利根川の水不足による被害を減らします。
◎新規都市用水の確保◎那珂川と霞ヶ浦において新たに水道用水、工業用水を供給します。
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