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『バンド オブ ブラザース』というタイトルの、第二次世界大戦のヨーロッパ戦線を転戦するアメリカ兵士たちの姿を描くドラマ・ビデオを借りて観る。 とある金曜日の晩、旧い友人と一緒に晩飯を食べたあと、レンタルビデオ屋に立ち寄った。 「またそんなもんを観てんのかよ。少しは愉しいものを観ろよな。それで、どんな話しなんだ? 哀しいやつか? 元気の出るやつか?」と、からかい気味に尋ねてくる友人に対して、 「シリアスだよ」と答える。 宣伝文句には「兵士たちの友情を描いた云々」などとあるが、そんなものではない。 そう、実際にシリアスなのだ。余情を挟む余地もない。 実在した部隊のドキュメント・ドラマだからか、あるいは総監督のスピルバーグと演出のトム・ハンクスの為せる技か、あるいは出演している役者たちの演技力の為せる技なのか。 この日本ではこのような映画やドラマは作れまいとさえ思う。 今、日本では、ようやく、原爆被爆者の体験絵図、あの猛火と熱線と放射線のなかでの体験絵図を集め始めたところだ。思い出したくもないだろう本人たちの、心のずっと奥底に死ぬまで仕舞っておきたい、記憶とは呼び難い何か、それらかの地獄絵図が拙い絵筆で、しかし実在感をもって描かれてくる。やはり、現実を超えるフィクションはない、とさえ思う。(2002年12月5日) |

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