
〜ロバート・キャパ〜
真を写すと書いて「写真」。
しかし時として、それ以上のものをも写してしまう事がある。
“それ以上のもの”を我々に伝える媒介者の一人である。
| 著作 | 読後感 |
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『ちょっとピンぼけ』 SLIGHTLY OUT OF FORCUS 川添浩史/井上清一訳 文春文庫 1979年 刊 原著:ダビッド社 1956年 刊 |
この人と本を忘れていました。 背表紙だけを見て、写真家のエッセイと思ってはならない。 ライフ、コリアーズ、イラストレイテッド、各誌の特派員として1942年夏から1945年春まで、第二次世界大戦の連合軍に従軍した折りの手記である。 無一文でアメリカから敵国人扱いとされるところを、助け出されるようにコリアーズ誌に拾われ、2台のコンタックス、1台のローライフレックスを抱え、シシリー島上陸、北アフリカ戦線、イタリア上陸、ノルマンディー上陸作戦、パリ開放まで、連合軍の戦線とともに各地を転々としてゆく彼の周辺に明滅するものは、死はもちろんのこと、酒、女、G・I、ポーカーゲーム、同僚たち、ヘミングウェイ…… 死は常に傍らにあるものの、畏怖する事なくファインダーを覗きフォーカスを合わせ、シャッターを切る。戦争報道家という職業に嫌悪する時もあるが、決して淀む事がない。自分の仕事の本分にあくまでも忠実であり、この文章にしてもウェットでもなければドライでもない、戦争を捉える怜悧な眼差しとともに人肌の暖かさがある。『ちょっとピンぼけ』どころではない、実にシャープで肉感的な文章である。 第8章の『そのときキャパの手は震えていた』が出色である。 ハンガリー国籍のユダヤ人(ハンガリーならばスラブ人かと思ったがさにあらず、ハンガリーはマジャール人という人種が多勢を占めている)。ブタペストを追われてベルリン、ベルリンを追われてパリ、そしてスペイン内戦の従軍取材へ……“国と言葉なき民であるユダヤ”の血なのか? 時としてルーツはひどく重くのしかかる。 |
| つんどくよんどく |
| キャパの著書はこれしか知りません。他にあるならどなたかご教授下さい。 |
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