〜アーネスト・ヘミングウェイ〜
 
戦争は、この世で最高のページェントだ。人さえ死ななければ。
 

著作 読後感
『清潔な明るい店』
 
ヘミングウェイ短編集(2)
大久保康雄/訳
新潮文庫
1970年 刊
「必要なのは光だけだ。それとある種の清潔さと秩序だ。虚無の中に住みながら、まったくそれに気づかぬものもいるが、おれは知っている――」
 夜更けのすゞやかな、終夜営業のカフェの灯りの元で、初老のカフェの給仕に語らせる“虚無”をもって、常に心の隅に穴が空いたような、いや、心の奥底にある空洞、誰も、彼自身も入り込めない、手に取ることのできない闇を描く。
 短編小説のお手本ともいえる作品と思う。
『心が二つある大きな河』
1.2
 
ヘミングウェイ短編集(1)
大久保康雄/訳
新潮文庫
1970年 刊
 ニック・アダムズ物の一つ。連載短編である。
 先に語った「虚無」を心の奥底に抱えることになったニックは、独り、旅に出る。“心が二つある大きな河”に……
 マス釣りとキャンプ生活を楽しむニックの姿とは裏腹に、彼の心は躍ることなく時は過ぎてゆく。
 熱くなる事も昂揚する事もなく、抑制を利かせた文体、形容句をそぎ落とした文体で物語をすすめてゆく。
 ここ10年の間に見られるようになった趣味的釣り文学集には何故か見受けられない。名作と思っているのだが……他人にとっては駄作なのか?
つんどくかいとく
 『老人と海』『海流の中の島々』『誰がために鐘は鳴る』『武器よさらば』『日はまた昇る』
 好き嫌いで言えば、短篇の方が好きなのだ。


 

 

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