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1.無意識・潜在意識・潜在能力?
メンタルトレーニングでは、無意識・潜在意識といった曖昧な根拠のはっきりしない表現は使いません。本来無意識・潜在意識という表現は、フロイトの精神分析からきています。しかしメンタルトレーニングは、精神分析とは一線を隔した生理心理学・社会心理学・行動心理学・認知心理学等の心理学理論がベースになっています。しかし日本では、この辺がいい加減で、無意識・潜在意識・潜在能力といった言葉がやたら飛び交っています。これらの表現は使う人間からすれば非常に便利で、根拠にならない根拠を並べ立て、選手や指導者は煙に巻かれてしまうようです。全ての根拠を無意識・潜在意識・潜在能力でかたづけてしまう悪質な例もあるようです。
ポイント1
無意識・潜在意識・潜在能力という表現には、要注意!! 説明になっていません。理論というには程遠く、1個人の勝手な解釈です。
ポイント2
無意識・潜在意識・潜在能力という表現を使う指導者に要注意!! 自称専門家は必ずと言って良いほど使います。正規の訓練を受けていない場合が、ほとんどです。
2.メンタルトレーニング指導者の資格制度
メンタルトレーニングを実践するためには、その土台となるスポーツ心理学理論や生理学・統計学などを習得している必要があります。
したがって原則体育系・心理系の大学院修士課程以上を修了し、訓練を受ける必要があります。近年、メンタルトレーニング指導者の中には学歴に問題があり、自己流の科学的裏づけのないプログラムを提供するケースが多いようです。そのようなケースに限って、無意識・潜在意識・潜在能力という表現が乱立していたり、スポーツ心理学・メンタルトレーニングに関する勝手な解釈が目立ちます。メンタルトレーニングに関する評価が歪曲化、過大・過小評価されることは、非常に残念です。
ポイント3
心理系・体育系の大学院を修了していない指導者には、要注意!! メンタルトレーニングに関する訓練を受けていません。メンタルトレーニングに関する定義、説明、解釈がめちゃくちゃな場合がほとんどです。無意識・潜在意識・潜在能力というオーバーな表現を好んで使う傾向がありますので、見極めの参考にするとよいです。
日本におけるメンタルトレーニングの資格は、直接かかわるものとしては、日本スポーツ心理学会認定のメンタルトレーニング指導士があります。取得には、学会に所属していること。学会に出席していること、研究業績、学歴、指導時間等が問われます。
本年は、日本スポーツ心理学会の「スポーツメンタルトレーニング指導士・補」の資格保持者を対象にした「指導士会」が活動を始め、各地域別研修会が開催されることになっています。このことで、現場でメンタルトレーニングを指導したり、心理的サポートをする人々のレベルの向上が期待されます。またこれから資格を取ろうとする人々にも研修会の参加が可能になり、単位取得の機会も増えると思います。今までは、年に1回だった資格取得研修が増え、資格保持者の研修も増えます。
今後は、自称専門家やビジネスを生業とする企業などにおいて、混乱する日本のスポーツ界に新しい風が吹くと思います。世界に比べて30年遅れていると言われる日本のメンタルトレーニングが世界に追いつくことを期待します。
学歴:原則心理系または体育系の大学院修了が前提となります。一定の学歴を満たしていない場合、スポーツ心理学を知らないか、分かったつもりになっている可能性があります。
研究業績:指導できれば良いというものではありません。研究能力も問われます。研究があってはじめて実践が成り立ちます。
指導時間:理屈だけ知っていても実践では役に立ちません。当然現場での指導能力が問われます。
学会出席:学会では、最新の研究成果が報告されます。常に新しい知識を吸収する必要があります。
間接的に関わるものとしては各心理系学会の資格もあり得ますが、直接関わるものとしてはメンタルトレーニング指導士だけだと思います。オリンピック選手をサポートする国立スポーツ科学センターには心理班が存在しますが、多くがメンタルトレーニング指導士資格者です。
メンタルトレーニングを依頼する際は、その方の学歴、所属学会、研究業績、指導実績、スーパービジョンを受けているか等を聞くと良いです。
3.メンタルトレーニングは、マジック?
メンタルトレーニングは、日本では広く知られている名称です。しかし海外では、Psychological skill training(略称:PST)またはMental skill Trainingと呼ばれています。心理学の実験や調査で効果があると認められた計画的なトレーニングを継続して実施することにより、技術・体力と同様に精神力もトレーニングできると言う考え方がベースとなっています。
しかし一部の方は、技術・体力のトレーニングは、長期間を実施しているにも関わらず、メンタルトレーニングには即効性を求める傾向があります。確かに平均1.5ヶ月くらいで、急激に向上する場合もあります。しかし一時的もので、メンタルトレーニングを実施したというには、最低3年かかるというのが、世界的見解です。マジックではないのです。
でも技術・体力のトレーニング期間に比べたら、3年なら短いとも考えられます。メンタルトレーニングは1日にしてならずです。
4.メンタルトレーニングに関する本の選び方
メンタルトレーニングは、スポーツ心理学がベースになっています。したがって心理系・または体育系の大学院を卒業している著者のものが望ましいと思います。私のホームページの推薦図書にある書籍は、どれもお奨めです。参考文献や引用文献のないものは、内容に根拠がない危険性があるので、注意して下さい。
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