(隊長作)

読書感想 (第110冊)   (2005年9月)  
許光俊『世界最高のクラシック』




許光俊  『世界最高のクラシック』  光文社新書
  
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  読書感想は独立分家し、別のメルマガで細々とやっておるんですが、
  クラシックに関する書籍については、弊紙メルマガでも採り上げてみようと思います。
  本が好きじゃ無い人はウザッタイだろうけど、本の持つ力って侮りがたいんですよ。

  さて、久々に採り上げまする「クラシック系書籍」。
  最近元気のいい光文社新書より出ている、許さんの本。
  
  この人の文を読むとホント感化されてしまうのですが、ペンの持つ力って
  大きいわ。
  さすが、慶大助教授。
  私の拙文では、どうにもこうにも音楽シーンは全く変わらないのですが、
  この人の文を読んでいると不思議に聴きたくなってくるんだから、
  凄い力だ。
  
  おそらくこの人が音楽評論界に現れてから、だいぶ風向きが穏やかじゃなくなったもんね。
  それに我々クラ・ヲタ内でも賛否両論。
  こういう人と文が、世の中を面白くする。
  
  本書を読んで実際、
  セル&クリーブランド管のベートーヴェン第4&8番。
  ヴァント&BPOのブルックナー第8番。
  バーンスタイン&ニューヨーク・フィルのチャイコのロメジュリ...。
  
  などなどを買った。
  
  セルと云えばドヴォルザーク。
  ヴァントと云えばブルックナー。
  バーンスタインならマーラーが相場。
  こんな固定観念はないだろうか?
  しかしセルのベートーヴェンはこうだ、バーンスタインのロメジュリはああだ、と
  旨い蕎麦屋では天麩羅こそ食うべきだといった風に書かれると、
  喰わずにいられなくなる気持ちにさせてくれる。
  そうなんだよね、うまい蕎麦屋は「いたわさ」なんかもうめぇんだよね。

  残念だったのは、舌鋒がマイルドなこと。
  小澤征爾やカラヤンも採り上げているのだが、著者が意外な一面に気づいた文面になっており、
  一刀両断されている可哀想な指揮者はいない。
  カラヤンのブル9と日光の滝の比喩などは、表現の旨さが格別に現れているところだ。
  
  本書では上述の指揮者以外にもフルヴェンから初まって、
  トスカニーニ、ワルター、クナ、ベーム、ケンペ、ザンデルリンク、
  クライバー、ロジェベン、フェドセーエフ、ブーレーズ、ミュンフン、
  バティス、クレンペラー、チェリ、ケーゲル、テンシュテット、インバル、
  アーノンクール、ブリュッヘン、ラトルと、思いつくほとんどの指揮者が
  論じられている。

  ここで採り上げられ切れなかった指揮者は「生きていくためのクラシック」
  で上げており、こちらも早速購入した。
  それくらい面白い本なんです。
  
  追記。
  これだけよく「わかって」聴いている人でも、未だに気づいていない名盤が沢山ある。
  それを我々クラ・ヲタは楽しんでるんだから、クラシックとはなんとも極上な遊びなもんだ。
  
  
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