6. )

 

0. 二つの要因two facters

 1. 景気後退

 2. 消費増税

 3. デフレ

 4. TPP

 5.. 内閣府の狂った羅針盤

. 再生 

7.こうなるくらべ

 

8.

9. 核

10.それでも私は小沢一郎断固支持する

11. 東電が見落とした新たな危険

 

 

 

 


日本再生の”カギ”はどこにあるのか?
   ・原発対策・地震対策・デフレ円高対策の3つが重点政策
   ・建設国債を中心とした積極的な公共投資は国土の安全性を高め
   デフレ脱却も図れる。一石二鳥‘の策
   ・株価を上げて外国人投資家の比率を下げ、富を国内に還流させる
   ・無意味な法人税減税ではなく設備投資減税を導入し経済を活性化
結果 二億総中流”の復活で日本は再び羽ばたける’・
  原発、地震、デフレと円高、3つの課題に集中せよ今後、何をす
べきかを提言していきたいと思います。イギリスの政治学者デビットーイーストンが
言っていますが、政治は。希少資源の権威的配分”です。平たく言えば、政策に優先
順位をつけるのが政治なのです。
  また、古代中国の軍略家・太公望の書いた兵書「三略」の中にも、政治の要諦は
「衆心を察して百務を施す」と書かれています。国民の望むこと、国民の一番不安に
思っていることを解消するのが政治だということです。
  こうした考えにならい、今、わが国は、さまざまな問題が山積みですが、当面の政
権は以下の3つを最優先として全精力を集中すべきだと思います。
今後の重点政策① 福島第一原発を地上と地下の石棺により封印し、空中・地下・海
          洋への放射能汚染を止めること。
今後の重点政策② 震災復興と確実にやってくる首都直下型地震や東海・東南海・南
          海地震に備えること。
今後の重点政策③ 15年も続くデフレ・不景気を止めること。工場などの海外移転と
          失業の増大をもたらす異常な円高を止めること。
  民主党政権の原発対策はすべてが後手後手に回ってしまいました。このために、国

民からの信頼は地に墜ち、
近隣諸国からも軽視されるような有様です。
まずは、原発
対策をしっかりと行なって、震災復興と確実にやってくる地震に備えるための公共投
資を行なうことが必要ですさらに、デフレと円高を止めることで日本経済を不景気
から脱却させ、国民からの政府への信頼も取り戻すことができるようになるのです。
国土交通省政務官としてこの原発災害をどうやって収束させ
るかを、国交省の視点で検討する担当となり、アメリカ、ロシア、イスラエルの専門
家、京都大学の先生に来ていただいて、対応を協議していました。
事故から1年半以上経った現状でも、福島第一原発に関する、さまざまな問題が解
決されてはいません。それどころか、炉心の冷却システム次第では、
いまだに原子炉
は水素爆発する恐れがあります。
有事の時に人が作業できないため、
無線の重機で作
業できる通信環境を整えました。
しかし、いざというときには、放射線の遮蔽効果が
高い土で原子炉をすっぽり覆ってしまう必要があるのですが、
それすらも用意ができ
ていない状況です。
一企業である東京電力に対応を任せていて、
決断しなかったために、抜本的な対応がとられていないのです。
さらに問題なのは、冷却させるために使用した汚染水が地中、海中にだだ漏れだと
いうことです。
いまも汚染水は地下水に浸透していっています。本来なら、トンネル
掘削用のシールドマシンで福島第一原発の周囲、地下50メートルを円周状にくりぬい
て、凝固剤をいれた液体コンクリートをジェット噴射して地下地盤を固め、いわば、
。地下の石棺”を設置したいところです。
これは、いくつもの海底トンネルを構築してきた日本の技術力なら容易なことで
す。また、むき出しの原発施設もホウ酸を含んだコンクリートパネルで石棺のように
囲ってしまえばいいのです。これが「今後の重点政策①福島第一原発を地上と地下の
石棺で封印し、空中・地下・海洋への放射能汚染を止めること」です。
  ところが、一企業である東電はお金がないことを理由に対策が遅れています。実際
には、一企業に任せずに政府が率先して、こうした対策を行なうことで、放射性物質
が拡散する危険性を押さえることができるのです。
東日本大震災の教訓を忘れてはならない
公共投資は必要です。小泉改革以
来、大幅に公共投資が削減され、デフレが加速してしまいました。
市場原理主義に毒
された内閣府モデルではないものを使った、適切な経済シミュレーションからいえ
ば、デフレから脱却するためには何よりも公共投資なのです。
この公共投資は、今までの公共事業とは意味合いが少し違います。
東日本大震災
後、公共投資の必要性が再認識されました。まずは、東北の復興には惜しみなく資金
を投人することが必要ですし、関東直下地震や東海・東南海・南海地震に備えた道路
網の整備、特に橋やトンネルの強化といった、震災によって明らかになった日本列島
の弱点を補強する必要があるのです。これが、「今後の重点政策②震災復興と確実に
やってくる首都直下型地震や東海・東南海・南海地震に備えること」です。
現在、全国の道路には約15万本の橋がかかっています。そのうち、国道に掛かるも
のに関しては、ほぼすべて耐震検査が終わっています。この検査が終わった橋のなか
で耐震化か必要な橋はすぐにでも対応をすべきです。
  しかし、県や市町村レベルが管理している橋に関しては、6割がまだ、耐震検査す
らしていません。このなかには、構造がもろく震度6で落ちる危険性のある橋も多い
のです。これは東日本大震災のときの教訓ですが、橋が使えなくなると、物資を運ぶ
ことも救援部隊を送り込むこともできない。陸の孤島”が続出するのです。実際、東
日本大震災の時は、何百万人の人が、約1000ヵ所に孤立しました。
  港はもうグシャグシャで使えない、鉄道も流されて使えない、空港も水浸しで使え
ない。ヘリも航続距離が短いし、運べる量も限られてくる。こういう時に、最も有用
なのはやはり道路なのです。
東日本大震災の時には、わずか1日で、東北自動車道な
ど主要道をふさぐ瓦傑などを除去し、ルートを確保する「啓開(けいかい)」を行な
って、道路網をなんとかつないで、トラックで物資を運んだのです。
  また、国交省では「くしの歯作戦」と呼ぶプロジェクトを展開しました。津波被害
で大きな被害が想定される海沿い地域の一刻も早い人命救助と復旧には、沿岸部の国
道6号、45号への進出が急務でした。そこで東北道や国道4号などを確保して縦の軸
をつくり、さらに太平洋側へ通じる幹線(くしの歯にあたる部分)を、大型車や緊急
車両が通れるように1本ずつ通し、救援用の15ルートを通行可能にしたのです。
しか
し、この作戦も、橋が落ちてしまっては、膨大な時間をロスしていたでしょう。
公共投資で資産価値を上げ、デフレも食い止められる
わが国には、北海道から沖縄まで約9万㎞の「緊急輸送路」というものがありま
す。この緊急輸送路には約2000本の橋が架かっていますが、震度6でこの橋のい
くつかが落ちてしまったとしたら、緊急輸送路の役目を果たさなくなるのです。未検
査の県道や市町村道の橋に関しても、緊急輸送に欠かせない橋に関しては、すぐにで
も検査して補強する必要があります。この対応は日本中の橋を対象にできるだけ早く
行なう必要があります(鉄道の陸橋も同様です)。
  トンネルは橋以上に対策が必要でしょう。日本は山間部が国土の8割を占め、道路
も鉄道もトンネルの中を走っています。このトンネルが崩落したらどうなるでしょ
う? 橋の崩落よりも深刻な。陸の孤島”になってしまいます。現存するトンネルの
耐震の検査・補強、新しいトンネルの建設が必要になるでしょう。
  また、津波への対応も不十分です。津波が来るのであれば、防潮堤も強化しないと
いけません。現に、東日本大震災の時、利根川と小貝川水系だけで、800ヵ所の堤
防が壊れてしまいました。もし、地震と、それによる津波が雨期とか集中象雨が来た
時に重なれば甚大な被害になるでしょう。そういう最悪の場合を考えながら堤防の補
強もしなければいけません。さらに、いざというときの避難所となる小中学校、そし
て命に直結する病院の補強も緊急の課題です。
  これまで批判されてきた役に立だない公共事業ではなく、こうした災害対策や復興
目的、さらには、道路、鉄道、電柱の地中埋設など、街全体の資産価値を上げるため
の公共投資を増やすのです。自分の住む地域の資産価値を上げることは国民にとって
も魅力的に映るでしょう。その規模は1年20兆円、5年で100兆円。この規模でや
ればデフレ対策にも有効で、一石二鳥にも三1 にもなるのです。

100兆円の建設国債で公共投資を!

「5年で100兆円なんて資金がどこにあるんだ?」という疑問もあるでしょう。し
かし、私は建設国債によってそれをまかなえると考えています。
  民主党政権では、復興予算をまかなうためには短期の復興債発行と復興増税の二本
立てになりました。問題となるのは復興債の期間が「短期」ということです。民主党
案のように10年の短期にしたら、現役世代の負担が大きくなってしまいます。結局
は、この期間に関しては、自民党がおかしいと指摘して25年にしましたが、これでも
不十分です。東日本大震災は1000年に一度の災害なのですから、1000年に一
度に対応するスキーム、つまり、これまでの建設国債のように60年償還ルールでやれ
ばいいのです。そもそも、建設国債は将来の子供たちに残る社会基盤(インフラ)に
使われるものです。資産価値を上げた耐震性の高い町は子供たちに残る資産なのです
から、60年償還ルールでいいのです。
建設国偵を発行することで、1400兆円の国民金融資産と企業の内部留保金を動
かします。企業の現金預金は165兆円あり、こうしたお金が貯蔵されたまま市場で
活用されていないことが‐本の問題なのです。こうした資金を政府が建設国債という
形で借りて、市場で活用されるように公共投資をするのです。
  市場に国債が大量に出回ると、債券価格が下がり、金利が上がるおそれがあります
が、おそれかおるだけで実際には上がりません。なにしろ、銀行もリスクゼロの国債
は安定的な運用先ですし、世界中で最も安定している国債として、外国人投資家にも
人気なのが日本の国債なのですから。
  市場に出回った国債に関しては日本銀行が買いオペレーションをします。銀行など
が保有している国債を買うことで、代わりに銀行に売買代金としての現金を渡しま
す。こうして市場に現金が回っていきます。市場により多くの現金が渡れば、貨幣供
給量が増えます。
貨幣供給量が増えれば取引が活発になり、インフレ傾向となり、為
替レートは円安傾向に動き出すのです。市中にお金を流すことは円安の効果になりま
す。貨幣供給量を増やすことが円高の是正につながります。
  市場への通貨供給量が、米国は日本のだいたい4倍になっています。
日米のマネタリーベースの比率(ドル/円比率)が日米の為替レートを決
めているという話を解説しましたが、貨幣供給量が多くなれば、増やした側のほうが
安くなります。実際、現在の米国の市場への通貨供給量は日本の約4倍です。公共投
資を行ない市場に出回る貨幣供給量を増加させれば、為替レートは円安ドル高傾向に
なります。貨幣供給量を増やすためには、社債をも購入する姿勢が必要です。そうす
ることで事実上、債券がダブつくことがなく、金利が一定に保たれます。このよう
に、円高の是正のためには、金融政策だけでなく、財政と金融政策両方をやる必要が
あります。
  これが「今後の重点政策③15年も続くデフレ・不景気を止めること。工場などの海
外移転と失業の増大をもたらす異常な円高を止めること」につながります。
米国債を為替介入の担保に便うべし
 貨幣供給量を増やし、円高を是正しても、世界的な金融危機は続いており、突然、
諸外国の金融が悪化することになれば、そこで余ったお金は世界で一番安定している
日本の国債に向かってきます。すると、日本の国債を購入するために通貨・円か必要
ですから為替レートは円高になります。その時、日本経済を守るために必要なのが、
機動的な為替介入をするための資金です。
  たとえば、欧州債務危機が悪化して、米国の金融がおかしくなる可能性も多分にあ
ります。というのも、スペインやイタリアの国債を米国の金融機関が大量に押さえて
います。欧州がおかしくなると米国の金融が「痛む」のです。
為替の世界では、「1兆円動けば2円レートが動く」とされます、仮に世界金融恐
慌が発生し、10兆円のお金が入ってきたら20円の円高です。日本の円だけがIドル60
円台になれば、日本は未曾有の不景気に突入です。株価は大暴落して、輸出産業を中
心にリストラの嵐が吹き荒れるでしょう。とくに、労働人口の4割といわれる契約社
員は、いつリストラされるかわかりません。
  こうした。超円高危機”に備え、為替介入の準備をしておく必要があります。その
時の資金は特別会計にありますが、それだけでなく、日本政府が保有している米国債
を担保に入れればいくらでも資金を用意することができます。
小泉政権時に35兆円の
為替介入をしましたが、このうちの25兆円政府短期証券を日銀に引き受けさせ、残り
の10兆円は米国債を日本銀行の担保にいれて引き出しました。
  いま100兆円以上ある米国債をどうやって活用するか? かつて、橋本首相が1
997年の訪米時に「米国債を売りたい衝動に駆られることがある」と述べただけで
米国の株価が急落してしまったことがありましたように、「売る」こと自体はできま
せんが、日本国内での担保には使えます。
  金利は日本の2倍と高く、十分な金利差があるので活用しない手はありません。こ
の米国債を為替介入の資金に使ったほうがいいのです。どうせ売ることができないの
ですから、国が持っている米国債を担保に日銀から資金を引き出すなどの方法を使っ
て「生き金」にするしかないのです。

外国債を機能的に買い分ける戦略を
外国債に関していえば、これまでは敗戦国ということや、米国から「買ってほし
い」という依頼もあり、米国債一辺倒できました。しかし、これからは、外国債購入
(外貨準備高)をもう少し戦略的に使っていく必要があると思います。
  そもそも、国債の利回りは長期金利となります。国債の人気がなくなれば、国債の
価格が安くなり利回りが上昇(長期金利が高くなる)、国債の人気が上がれば、国債
の価格が高くなり利回りが下降(長期金利が低くなる)という関係です。
  米国の長期金利は米国債の保有国の上位である日本と中国が米国債を購入すること
で買い支えていますので高騰することはありません。
  このように実は米国の金利は日本と中国が左右しているのです。米国政府からすれ
ば、不景気で金利が上がっては困るときに、日本に米国債を買わせることで金利調整
できるのです。また、米国債を購入するということはドル資金が必要ですから為替介
入することになりますので、為替の調整も同時に出来るのです。
たとえば現在、米国は「5年で輸出を2倍に増やす」という輸出振興政策をとって
いますが、輸出を倍増させるためにドル安を維持する必要があります。なので、円高
ドル安を円安ドル高にする日本の為替介入はしにくい。

現在の日本は為替介入をしな
ければ、輸出企業が売上をドルから円に換える動きと、第5章でもお話したように緊
縮財政により、貨幣流通量が抑えられていますので、自然に円高になっていくのです
(米国にとっては自ら動かずに、円高ドル安になっていくのです)。
  ただし、米国もあまりにもドル安が進むと、輸入物価が高くなって、石油など物資
の価格が上がって来たときに困る。つまりドル安一辺倒の政策ではやっていけないの
です。為替レートには経済にとってプラスとマイナスの面がありますから、うまく利
用しようと思えば、やり方はあるのです。
  このように、米国は為替と金利のコントロールを、日本の財布を使ってやることが
できるのです。日本は戦後、米国の経済の好調さにリードされ、輸出企業を中心に日
本は好調になるというビジネスモデルを採用してきたのですから、仕方がない部分も
あります。ただし、これからはもう少し戦略的に考える必要があります。たとえば、
中国は米国債を約110兆円分、持っています。中国は米国に大量に輸出して儲け九
分、米国債を買って、元とドルの為替レートを一定水準に保っているのですが、実は
保有する外国債は米国債だけではありません。
中国は一時期、購入する外国債の一定分をEUの国債に振り分けるなど、戦略的に
購入しています。欧州は懐事情が厳しいですから歓迎され政治力が発揮できます。で
すから、日本もEUの国債購入に乗り出してもいいと思います。
  また、これから発展する、間違いなく人口が多くて伸びていく国、インドやパキス
タン、ベトナム、トルコといった国の国債を買うのも手でしょう。なぜなら、「国債
を買う」というのはその国に対する投資だからです。国であれ企業であれ、投資して
くれた人の声は無下にはできません。つまり、これから発展する国々での日本の発言
力も増すわけです。有償無償でODAをやるのもいいのですが、こうした国の国債は
金利は高い上に、人口は増加し7~9%で経済成長しています。そもそも、これから
伸びていく国の国債がデフォルトになるリスクは低い。ですから日本も、為替介入し
たカネを米国債だけでなく、これから発展する国の、トルコでもベトナムでもその国
の国債を買うべきなのです。
この点、中国は戦略的です。インフラの整備、鉄道、原発といった入札を有利にす
るという狙いもあって相手国の国債を買っているほどです。日本も、インフラ整備や
鉄道で日本の技術を外に売り込もうとしている戦略なのですから、その国の国債を持
つという戦略をとることも必要です。
株価を上げて外国人投資家の比率を下げる
円高が是正され円安になってくれば、輸出産業を中心に日本の企業も好調になって
きます。好調になるにつれて株価が上かっていきます。株価が上かっていけば、日本
経済の一番の問題である、一部上場企業のほとんどが株式を外国人に乗っ取られてい
る状態を解消することができます。
  現在は、株主、オーナーが外国人投資家なので、彼らが儲かるように企業は国の政
策にまで口を出して来ています(第3章参照)。その結果、利益配当のお金は二度と
国内に戻ってこない。そして、国内の雇用にもプラスがなければ、経済にもまったく
波及効果がないのです。
株価が上がれば、バカ安値で株式を買った外国人投資家は利益確定のため株式を売
りに出します。なぜなら、彼らは長期資金だけでなく短期資金も入って来ているので
株価が上がると売るのです。その時、日本の個人株主、企業、金融機関が引き受けれ
ば、所有権が国内に戻ってきます。外国人投資家に代わり企業の経営を握るのは日本
国内のお金となるのです。利益配当でお金が回ってくるのも日本人となるのです。
  では、国内にあるお金を株式投資にまわすためにはどうすればいいのでしょう?
  答えは単純明快です。現金で持っているよりも株式で保有したほうが有利にしてあ
げればいいのです。
一部上場企業は利益配当4~5%で回る企業がたくさんありま
  私から言わせれば、一番大切なのは、世の中にお金が回るようにすること。金回り
をよくするためには、二大資産である、株と土地の値段を上げることなのです。その
ためには、個人の国民金融資産を動かすためのインセンティブ(経済的誘因)とし
て、株式配当課税をO%に、さらに株式に対する相続税評価額を大胆に引き下げるべ
きなのです。個人のたんすや銀行や郵便貯金に眠っているお金を起こして、動かすこ
と。ヱ局齢化したお金を若返らせる”ということが、いま必要なのです。
法人税減税よりも設備投資減税を!
「そんなの私ら庶民には関係ない」と思われる方もいるでしょう。しかし、よく考え
てください。現在、銀行に預けても金利はほとんどO%です。一部上場企業の株式を
保有して、5%程度でまわるのなら、こちらのほうがいいでしょう? 現金でダンス
預金したり、銀行に預けるより、株式で持った方が有利にしてあげれば、巨大な国民
金融資産が株式市場に向かい、経済は活性化するのです。
  法人税減税よりも株式配当課税をO%にし、株式に対する相続税評価額を引き下げ
た方が日本経済への効果は大きいでしょう。財界が求める法人税減税をしても、現状
では、その分のお金は株主の利益配当で海外へ出て行ってしまい戻ってきません。従
業員の給料には回りませんし、国内経済の活性化につながらないのです。
企業に対しては法人税減税よりも投資減税です。国内に投資する。日本国内で工場
や研究所を作るなど投資をした場合には、大胆な減税をする。また、正社員を雇う比
率が高いほど減税する。また減価償却も耐用年数を短縮し、加速度償却をできるよう
にするなど、減税した分の利益が国内に回っていくような減税にする必要がありま
す。国外よりも国内に投資したほうがいいというインセンティブにするのです。
  ここ20年間、日本経済、特に地方の老舗や中小企業がハタハタ潰れ地方経済がガタ
ガタになった最大の理由は、上地の価格が暴落したことにあります。逆に、ここ30年
間でアメリカ、イギリス、フランスなどOECD先進諸国は上地の価格か2倍~3倍
に値上がりしました。
  ところが、日本だけが1990年のバブル崩壊から毎年平均7%づつ下がり続け、
この20年間全国平均で約半額、地方では5分のIから10分のI以下に値下がりしたと
ころもあります。
中小企業や商店は土地を担保に入れ、金融機関から設備投資や運転資金を借りて経
営していたため、地価の暴落により担保力が無くなり資金がストップしてしまいまし
た。また、個人の土地の所有者は3700万人もおり、企業だけでなく個人の金融も
止まってしまいました。このため実体経済にお金が回らなくなってしまったのです。
上地の暴落によって失われた資産価値は1000兆円とも言われています。上地の
208
209価格の暴落が日本経済失速の最大の原因である以上、日本経済を復活させる最大の方
策は、土地の価格を値上がりさせる大胆な政策を採ることです。
  我が国は長期的な不景気の中でも、1400兆円の国民金融資産、165兆円の企
業の預金、260兆円もの世界一の対外純債権と世界一潤沢な資金があります。地価
を上げるためには、この潤沢な資金を上地に向かわせることです。そのためには現金
で持っているより土地を持っているほうが有利にすることです。
  土地の相続税の評価額を現金相続の場合に比べて大幅に引き下げるべきなのです。
具体的には、地価公示価格の8割まで引き上げた路線価を(時限的に)かつてと同じ
ように地価公示の3割まで大胆に引き下げることです。また、企業が溜め込んで使わ
れない資金を上地購入に振り向けるため、大胆な投資減税を行なうべきです。
  さらに、土地の需要を喚起するため、個人の優良な住宅の取得を後押しするための
長期・固定・低利の公的金融の支援は欠かせません。民主党政権下で進めてきたよう
な住宅金融支援機構の役割を縮小するのではなく、更なる機構の拡充や充実を図るべ
きです。住宅金融支援機構を活用した住宅ローンへの郵貯・簡保資金の積極的に利用
も考えるべきです。
  日本の面積は米国の約26分のIですが、山林山岳が多いため、実際に利用できる面
積は約2割に過ぎません。このため有効面積で比較すると現実には日本はアメリカの
130分のIしかありません。この面積に米国の二分の一の人口、約1億2700万
人が住み、GDPも米国の半分を叩き出しています。
ということは、日本の土地の生
産性は世界一高く、日本の土地は世界一高くても当然なのです。日本の上地の生産性
に見合った価格に戻すべきなのです。
整理回収機構、債権回収会社の問題に早期解決を
私は中小企業を経営していたこともあって、不景気の現状で中小企業経営者がどれ
だけ苦しんでいるかが痛いほどわかります。なかでも問題は、整理回収機構(RC
C)や債権回収会社(金融サービサー)からのひどい取り立ての問題です。
  RCCは住専処理問題を解決するために作られた機関ですが、住専処理問題の目処
がつくにつれて、違う仕事をするようになりました。不良債権処理にはウラの仕事の
210
211 第6章「一億総中流」が日本再生のカギだ!
人もいるから、そういう債権も扱う機関になったのです。社長や副社長は検察と財務
省の天下りのポストになっているうえに、かなりの規模の組織になって、弁護士など
を何十人も抱え、彼らの報酬をまかなうために本来の任務からだんだん外れた取り立
ても行なうようになったのです。
  RCCに債権が渡れば、取り立て担当に呼び出されて、狭い部屋に押し込められて
ガンガンやられます。心理的に脅かしたり、本来の権限を逸脱してかなりプレッシャ
ーを与える。それでガンになる方がかなりいて、現実にたくさんの方が亡くなられて
いる。私の知り合いでもガンになって亡くなられた人もかなりいます。茨城県F町
で、県内で一番長く議長をやった方が、会社が傾いたときにRCCに呼び出されたこ
とがありました。心理的に厳しい取り立てを受けて、その結果、ガンになって入院し
た。そのときに私はお見舞いに行きましたが、「退院したら頼むよ、どんなにRCC
がひどいか話すから敵(かたき)を討ってくれ」と言われたのですが、そのままガッ
でお亡くなりになりました。人間は精神的に追い詰められると身体にこたえます。こ
うした方々の無念を思うと、私は言葉もありません。
  このような問題が続発しているので、中小企業債務者を守る方策について、整理回
収機構(RCC)問題を追及しようとしています。そのために、「中小企業等金融債
務者保護推進議員連盟」幹事長も務めています。
RCCができて13年が経ちます。本
来であれば歴史的使命を終えているはずです。これまでを検証し見直すべきところは
見直す時期に来ているのです。RCCは金融庁が管轄していますから、金融庁を呼ん
で問題点を正すと、実は、かなり債務者を守ることができます。一方で、管轄が法務
省で監視体制が十分に発揮されていないのが金融サービサーの問題です。金融サービ
サーは債権を回収する民間の企業です。たとえば、回収が困難な1億円の債権を3%
~5%といった金額で買って債務者や保証人に債権金額全額を請求するわけです。
  債務者は返済できないと見越しているので、保証人となっている嫁ぎ先の娘さんの
ところに請求に行ったり、勤務している息子のところにまで取り立てに行く。そうす
ると、世間体もあるし、もちろん100%払えないにしろ、和解して3000万円、
4000万円で手を打ったりする。つまり、金融サービサーは300~500万円で
買ったものが10倍近くの利益になる。まるで暴利行為のようなビジネスなのです。
212
213 この金融サービサーの管轄を当時の自民党政権が金融庁ではなく法務省にしてしま
ったのです。金融のことがまったくわからないので、監督官庁である法務局の監督が
行き届きません。しかもこの金融サービサーはかなりの部分がタックスヘイブン(海
外の租税回避地)に本社を置いて、日本に税金をできるだけ払わないような仕組みを
構築しているのです。つまり、金融サービサーは外資のハゲタカに大きな利益を与え
ているようなものです。
しかも、現在は都市銀行ではなく地方銀行の債権も全部、サービサーが買い始めて
います。つまり、今度は地銀の債務者への請求が始まっていて、地方に金融サービサ
ーによる被害がどんどん始まっているのです。金融サービサーも制度はちゃんと機能
しているのか、どういう結果だったのか、客観的に検証しないといけません。ばかげ
た制度のために数知れない人たちが泣くようなことがあってはならないのです。
一億総中流を復活させよう
戦後日本の高度成長を成し遂げたパワーの源泉は、1億2670万人という世界第
9位を誇る人口が、教育レベルが高く平均的な収入が高いことから、旺盛な個人消費
力を持っていたことにあります。
  私たちは小学校の教科書で日本は加工貿易の国だと学びました。そのため皆さんも
日本は貿易立国だという先入観を持っていると思います。
確かに、終戦直後は加工貿易による外需・輸出が日本経済を引っ張ってきました。
  しかし、ここ何十年も外需がGDP全体に占める割合は約1割に過ぎず、GDPの
75%は民間内需が占めて来ました。つまり、日本はアメリカに次ぐ内需大国であり、
個人消費を中心とした民間内需こそ日本経済を引っ張って来た最大の原動力でした。
  極端な大金持ちはいないけれど、一人当りの平均収入が高く、一人当りの名目GD
Pが世界第3位と、正に世界一貧富の差の無い「一億総中流」の社会こそが日本が経
済大国であった秘密だったのです。
  当時、アメリカ自体が日本の経済成長の最大の強みは、終身雇用と年功序列にある
と分析しました。
  ところが2001年に小泉総理・竹中大臣が登場以来、日本の最大の強みであった
終身雇用制と年功序列を破壊しました。わずか10年で一億総中流の社会から、貧富の
差がますます拡大する格差社会になってしまいました。
  働く4割のもの人達が景気の動向次第であっさりと解雇される潜在的失業者でもあ
ります。私は「一億総中流の復活」、つまり、世界で一番平均収入が高く貧富の差の
ない社会の復活こそが日本再生の鍵だと思います。
  真面目に努力をすれば報われる、安定した職に就き、結婚し子供を持つことができ
て家族団らんがある社会を復活させる、これこそが日本復活の鍵です。
  今の世代を次の世代やその次の世代で支え合う年金や社会保障も、一億総中流の社
会でなければ成り立たない制度であり、そもそも消費増税でまかなうことなどできる
話ではありません。我が国最大の問題である少子化も、一億総中流の復活無くして解
決法はありません。
  一億総中流の復活とは正反対に貧富の差を増大させる消費増税は、どうしても凍結
しなければなりません。税制ひとつをとってみても、これまで述べてきたことのほか
にも、
□ 消費増税
でなく企業への大胆な投資減税。
□ 所得税の最高税率を50%に戻すとともに贅沢品に対する物品税を復活させる。
□ 地方経済の活性化のために、企業交際費を原則どおり非課税にする。
  などやるべきことはいくらでもあります。
1970年代のオイルショックから、わが国の中小企業は、常に逆風に見舞われて
います。80年代はプラザ合意による円高、90年代はバブル崩壊による貸し渋り、貸し
はがし、叩年代は小泉改革による公共投資削減のうえに、リーマンショックと大不況
がやってきました。度重なる、こうした苦境のなかでも、真面目に働き、わが国を支
えてきたのは、日本における企業軒数の約99%を占める中小企業のみなさんだったの
です。

連帯保証制度。金融機関でローンを組む時に、親が債務者であれば子ど
もを連帯保証人にするように求められます。家族で事業をやっていると、親族がお互
いに連帯保証の関係になります。
  こうした債権が不景気で返済に行き詰まるようになり、金融サービサーの手に渡る
と、彼らはバカ安値で買い叩いた債権にもかかわらず、一円でも高く搾り取ろうと、
連帯保証人に取り立てが行きます。そうなれば当然、親族に多大な請求がくるように
なるのです。
  こうしたおかしな事態をとめるためには、現在の連帯保証制度には見直しが必要で
す。米国の場合であれば、持っている財産を吐き出せば、それ以上は債務はなくなり
220
221 ます。一方で、日本の場合は、抵当権が実行されても債務が残っていれば、残ってい
る債務の取り立てがくるのです。これは貸し手にとっては債権の回収ができなくなる
リスクが少なく、非常に都合の良い制度ですが、借り手にとっては、たまったもので
はありません。
また、貸し手にとっても、自らの責任で精査することなく、連帯保証があるかどう
かだけで融資が事実上決まってしまうために、融資をするハードルが低くなります。
返済不能になる可能性の高い相手に融資しても、最終的には、連帯保証人からお金を
回収できるという甘い判断が働いてしまうためです。はっきりいえば、これはI種の
モラルハザードです。
  貸し手責任を問わなくてはなりません。そこで、私は実は自民党も含めた超党派で
運動して、連帯保証をなくす方向で動いています。まずは行き過ぎた保証である「根
保証」の廃止は実現できました。しかし、いまだに連帯保証自体は依然、残ってお
り、「生活者の立場に立つ」というならば、政権はこの制度改革に乗り出すべ
きでした。


 

 

Ads by TOK2