(小泉俊明著書より 2 

0. 二つの要因two facters

 1. 景気後退

 2. 消費増税

 3. デフレ

 4. TPP

 5.. 内閣府の狂った羅針盤

. 再生 

7.こうなるくらべ

8.

 

9. 核

10.それでも私は小沢一郎断固支持する

 

11. 東電が見落とした新たな危険

 

 

 

 

わが国の債務(借金)は

 

過大(おおげさ)に公表されている!


  ただし、

日本の財務省は

消費増税に際して、

こうも主張します。

累積債務残高が
1019兆円になってしまった。

すぐにでも増税が必要である」と。
  これはまったく大げさな話です。

この話は、

私が消費増税に反対する

2つ目の理由
「日本の債務は過大に公表されているから、

増税をする必要がない」

にあたることなのです。
 

 

政府自らが発表している、

わが国のバランスシートをみると、

たしかに、

2009年の粗債務(借金)は1019兆円です。

ただし、この1019兆円の粗債務(借金)の中に

291兆 円の

特別会計の債務(借金)が

入っています。

これは

国の機関等に

貸し出され

最終的な債務を

負担するのは国民ではありません

これを国民の借金として

国の債務に加え、

国民一人当たりの借金がいくらある

ということ自体が明らかに間違っています。

つまり、

日本の国の債務は

意図的に過大に

公表されているのです。


仮に、

粗債務は1019兆円だとしても

2009年で

国の保有する総資産は

647兆円あり、

粗債務1019兆円から

資産を引いた

純債務は

372兆円である。


この純債務を

日本の名目GDP比でみると、

80%

と他の先進国と比べて

高いわけではありません。

たとえば、

皆さんが、

住宅ローンなどで

1000万円の借金があったとしても、

預貯金や不動産で

650万円の資産があれば、

実質的な借金は

350万円

です。


先進諸国では

国の借金を考えるとき、

純債務で見るのが

常識です。

 

このように、

純債務でみると

日本は決して

財政危機ではないのです。

 

現に財務省も、

日本国債の格付けが引き下げられた時、

海外に対しては

「純債務でみると日本は財政危機ではない」
と説明・反論しているのです。
 

財務省は

国債の債務不履行(デフォルト)

のおそれについても懸念して

「消費税を上げないと日本は

ギリシャのように財政破綻する」と、

いたずらに不安を煽るのですが、

その懸念もおそれるほどではありません。
 

マーケットが

その国の国債の信用度を

判断する基準となっている、

国債の債務不履行が起きた場合の保険、

CDS(クレジットーデフォルトースワップ)

の保険料(掛け率)

を見れば一目瞭然です。

 

ギリシャは信用がないため100%。

日本はわずか 1.2%、

米国、英国と並び世界でもっとも保険料が低く、もっとも信用のある国債なのです。

 

日本は貿易収支も所得収支も

長期的な累積黒字国である

とともに、

260兆円という

世界一の対外純債権国(外国にお金を貸している国)

でもあり、

国債(日本の借金)の

95%は

日本国民が保有しています。

 

外国人の大量売却により

債権が暴落し

金利が高騰する

リスクはありません。


最近、

海外から日本国債の購入が

増えてきていますが、

これも

日本国債の信用度が
高いからです。

 

現在の異常な円高も、

日本の信用が高いことから

海外から

日本に

巨額の資金が

流人していることが

大きな原因です。

 


  もし、本当に日本が

財政破綻する危険があるなら、

 

日本の国債や円を買う人が

いるでしょうか? 

数年でギリシャと同じになるなら、

とっくに円は

1ドル250円〜300円に

なっているでしょう。

ギリシャの金利は

現在約22%、

日本は

最低金利です。 

 

また、

通貨発行権を持つ

日本と、

ユーロに加盟し、

これを持たないギリシヤとは

根本的に異なります。

お金を刷って発行できる

自国通貨建ての国債で

債務不履行はあり得ないことは

世界の常識です。
 

 

さらに、

日本の国が本当に財政危機なら

他国や国際機関に

お金を出す余裕は

1円もないはずです。

 

しかし、現実には

海外の発展途上国に

ODA(政府開発援助)を

毎年約100億ドル (8000億円)も

拠出しています。

 

つい最近も

野田総理は

IMFに4・8兆円、

メ コン流域諸国の首相たちが来た時には6000億円も

気前良くポンと

拠出しています。

財政危機の国に

こんなマネは絶対にできないはずです。

 

誰のため? 

格付け機関の不透明性にもかかわらず、

国債の格付けも

日本はAA一(ダブルAマイナス)です。

 

250兆円もの

世界一の『対外純債務国』

(外国からお金を借りている国)

の米国国債がAaa

(トリプルA・ムーディー ズ)、

AA十(ダブルAプラスースタンダード&ファース)にもかかわらず、

です。


ここには

格付け機関の

格付けの意味を

考えなければいけません。

 


 格付け機関が

見ているのは

名目GDPの成長率なのです。

名目GDPの成長率が高ければ、

米国のように

250兆円もの世界一の『対外純債務国』

であっても、

高い評価になるのです。

 

借金があっても

収入が継続的に増えており

返済に何の問題も無いことから

米国国債の格付けは

高いのです。

 

一方、

日本は成長率は

ほとんどゼロ成長ですから、

名目GDP(=収入)が減っているから

借金は返せるのだろうか、

ということで

格付けが

低くなってしまうのです。


また、格付け機関も

一企業であることに

注意が必要です。
 

よく、「格付け会社」ともいわれるように、

格付け機関は、

あくまで単なる民間企業
で、しかも、

株主も公開していない

公開性の低い企業です。

 

 

実際には

国際金融資本の株主と

事実上一緒

とも言われていますが、

自ら、

【いかなる形式又は方法によっても、

これらの格付けもしくは

その他の意見又は情報の正確性、

適時性、完全性、商品性

及び特定の目的への適合性について、

いかなる保証も行なっていない】

(ムーディ ーズの公式ホームページより)

と主張しているように、

単なる一企業の評価にすぎないのです。

そういった企業の評価を

国際金融資本が投資の判断材料にして、

投資することの危険性は、

格付けの高かった金融商品に投資して、

 

結果、

大きな赤字を被った
リーマンショックで

実感したはずです。

また、

消費増税をすると

日本の格付けは落ちるでしょう。

というのも、

増税をすれば

格付け機関が判断材料としている

名目GDPを落とすことになるからです。

 

事実、
1997年の橋本政権下の

消費増税では

名目GDPは2.1%減少しています。
 

財務省は

いま、消費税増税をしないと、

格付けが下がって、

債券が暴落する

と脅すのですが、

本当は逆なのです。

 

消費増税されることで、

企業と個人の

税引き前収入が落ちて、

名目GDPが下がり、

格付けも下がっていくのです。

 

にもかかわらず、

日本はなぜ緊縮財政に突き進むのでしょうか?
 

実は、

民主党は

もともとは緊縮財政ではありませんでした。

 

2009年9月、

鳩山由紀夫氏が首相に就任した際には、

最初の閣議で、

小泉政権以来の緊縮財政策を踏襲しない

ことを明らかにしました。

2008年のリーマンショック以降、

世界不況で、

世界中の景気が収縮していましたから、

一定の政府支出は必要だ

という判断でした。

 


  世界不況による

企業収益の悪化で

法人税収などが落ち込み、

2010年度の税収は
25年ぶりに

40兆円を割り込む

可能性がありました。

 

これはピークだった

90年度と比べると3分の2程度

しかありません。

 

先細りする税収を確保するのに、

民主党・国民新党・社民党連立政権合意で

「政権担当期間中に引き上げは行わない」

と封印しています。

 

歳出改革を優先する政権だったのです。

しかし、

財務省は

そうした「脱・官僚依存」を

掲げる鳩山内閣に対して、

面白くない、さまざまな働きかけを始めます。

 

財務省は

80年代から

消費増税が

日本の税収を

安定させる唯一の方法である

と考えています。

 

また、消費増税をすれば

自分たちの権限が増大します。

 

消費税率をアップさせた当時の

事務次官や主計局の多くは

華々しい扱いを受けています。

 

この当時も、

財務省の予算編成権を盾に、

鳩山内閣にも食い込みを見せはじめます。

 

たとえば、

首相官邸では、

官邸では首相、官房長官、3人いる官房副長官のうち、

衆院議員の事務担当秘書官には

財務官僚が名を連ねるのが通例で、

鳩山内閣もこれを踏襲しました。

 

さらに、

菅国家戦略相、

菅氏と仙谷行政刷新相を補佐する

古川元久内閣府副大臣、

参院議員の松井官房副長官が

それぞれ事務秘書官に

財務省職員をあてることになったのです。

「主流」と言われる主計局経験者です。
 

また、菅氏と仙谷氏は

秘書官と別に

財務省の若手・中堅を

1人ずつスタッフに起用。

「短期間に2009年度補正予算見直し

と2010年度予算を仕上げるには

経験と知識のある人を使いたい」

という理由もあったのですが、

「政治主導の象徴」

と位置づける

国家戦略室も

行政刷新会議も、

実動部隊の事務スタッフは

財務省からの出向者に

任せるように

なってしまいました。


  たしかに、財務省のスタッフは

情報量が豊富で頼れる存在であることは

わかります。

なにしろ、

予算編成権があるために

各省の動きや

日本経済に関する最新情報が集まってくる

のです。

そういった情報をとりまとめる機関は

日本では

財務省が一番でしょう。

ただし、彼らは

財務省にとって都合の良い情報だけを

流すことがあるために

注意が必要なのです。

 

私自身も

こんな経験が

ありました。

 

国家公務員の5年間の総人件費を

出すように大蔵省(当時)の担当者に

依頼しました。

確かにすぐ

「毎年7兆円ずつ5年間」
というデータが出てきました

が、そのデータは「基本給」だけのもので、

諸経費などの分は一切人っていなかった

のです。

一般企業で働いている方、

あるいは

企業経営をしている方ならおわかりでしょうが、基本給だけで検討しても意味がないのです。

私がすぐその点を指摘して、

「手当なども含めた本当の総人件費」

のデータを要求すると、
20〜30分で、「毎年10兆円ずつ5年間」

というデー夕が出てきました。

 

虚偽のデータは出さないけれど、

指摘されないかぎり、

正真正銘のデータも出さない。

これが、政治家をたぶらかす
常套手段なのです。

これでは、経験のない政治家など、

簡単に手玉に取られてしまう。

 

今回の消費増税を巡る動き

でも同様です。

 

財務省は

巧妙に

消費増税を仕掛けてきました。

IMFで

日本へ

「緊縮財政が必要だ。消費増税が必要だ」

という警告をするのは

日本人スタッフですが、

実は、

彼らは日本の財務省からの

出向者なのです。

つまり、

財務省の意向に

沿う形の警告を

するのです。
 

 

また、マスコミ報道などを見ると、

あたかも日本以外の国々では、

どこも消費税20%ぐらいで、

すべての物品に課税され、

国税の中心である基幹税であるかのような

印象を受けます。

 

実は

これも

財務省の情報戦術の

一環です。

というのも、

そもそも、

これは客観的な事実として

誤った情報なのです。

アメリカの消費税は

州税ですが、

大きな州の消費税は

どこも5〜6%に過ぎません。

また、

図4「国税に占める消費税の国際
比較」

で見てみると、

日本は消費税が5%(うち国税分は4%)であるのに、

国税全体に占める割合は

24.4%にもなっています。

 

これに対し、

スウェーデンは

消費税の最高税率が25%であるのに、

国税に占める割合は

日本より低い

18・5%に過ぎません。

 

仮に

日本の消費税が

10%(国税としては8%)に引き上げられると、

この比率は
37%

にも跳ね上がり、

欧州の中でも最高水準になります。

 

この事実は、

日本が

法人税と所得税が

いかに少ないかを示しており、

また欧州では

消費税が減免される物品が

多いため、

最高税率は

一部の贅沢品に

適用されている。

 


財務省に

最新の情報を頼っていると、

次第に消費増税がかかせないという

情報も埋め込まれて、

気がつけば、

消費増税やむなし、

といった思考になりやすい。
 
アメリカはなぜ消費増税をさせるのか?
「自民党の10%案を参考に……」

と菅首相が言い出しだのは、

首相に就任直後の

2010年6月17日、

参院選マニフェスト表明会見でのことです。

ここで初めて消費税に言及し、

参院選で大敗し、

ねじれ国会となってしまう元凶を

作ってしまいました。


  また、
菅氏にとって、

この発言は米国に向けての発言でもありました。

というのも、
6月27日夜(現地時間)、

トロントサミットで

米国のオバマ大統領と

初会談をすることに

なっていたからです。

米国とは

鳩山政権時代に

普天間問題を巡り、

ギクシャクしていました。

そこで大統領へのお土産として

消費増税を約束したのです。 

 

さらに、

同年9月に行なわれた

第二回の菅・オバマ日米首脳会談でも、

菅首相はTPP参加の「検討」という

お土産を持っていきますが

なぜ、日本の消費増税が米国にとってお土産になるのか?

 

 それは

大きく2つの理由

があります。

 

ひとつは、

外資系企業による日本企業のM&A(買収)

がしやすくなること。

もうひとつは、

円高ドル安になる

ということです。
 

まず、

「外資系企業による日本企業のM&Aがしやすくなること」

ですが、

消費増税は

日本の景気を悪化させます。

 

そうなれば当然、

日本国内の企業の株価も

低迷します。

 

これは極端な例ですが、

仮に株価が低迷し、

もともと1株2000円だったA社の株価が

200円

まで下がれば、

そのA社が

どんなに優れた技術を持ち、

莫大な内部留保があっても

以前の10分の1の値段で

買収してしまえるのです。

外資系企業にとっては

こんな買収のチャンスは

ありません。

で、

筆頭株主になって

乗っ取ってしまえば、

このA社の利益、内部留保を

そのまま海外に

還流することができるようになります。

 

 

この動きは小泉改革以来続いていることです。

   次に

円高ドル安になる

ということです。

消費増税とは

緊縮財政の代表的なものです。

やや専門的な話になりますが、

緊縮財政を行なうと

日本の

実質的な

マネタリーベース

(実際に市場に供給されているお金の量)

が増えることはありません。

 

一方で、

大不況に

見舞われた

米国は

財政出動を行なっています。

 

財政出動は

米国の実質的な

マネタリーベースを増やします。

この日米のマネタリーベースの比率

(ドル対円比率)

が日本が緊縮財政を行ない、

米国が財政出動を行なう

と上昇します。

 

すると、

為替も円高ドル安方向に

動き出すのです。

 

つまり、

日本が緊縮財政を行なうと、

円高ドル安になり、

ドル安政策にしたい米国にとっては

歓迎すべき

為替レートになるのです。

 

現在、

米国は

輸出に力を入れています。

 

オバマ大統領は

2010年の一般教書演説で

輸出を

5年で2倍にする

という輸出倍増計画を

発表しています。

輸出に関しては

ドル安のほうが

望ましいのです。

 

その反面、

円高になれば当然、

日本の輸出企業の

経営は悪化します。

 

より外資系企業に買われやすくなる

という悪循環が待っています。



こう見てくると、

国民のためではなく、

財務省の官僚と

アメリカの経営者層のために

消費増税をした

としか思えないのです。

 

(小泉俊明著書より)

 

 

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