吉凶通知
双子の弟は10歳の時事故で死んだ。
あれから7年、弟のひかるはいつだってあたしと幼馴染の葵の側にいる。
でも、葵は見えていないみたいだけど。
あたしの家は山も所有している。
そしてその山には露天風呂がある。
昔からあたしも、ひかるも葵もその山は大好きだけど夜は行かなかった。
理由は、あたしが怖がったから。
小さなころ父様があたし達に話してくれた。
あの山に、行ってはいけない日がある。
それはいつだか分からないけども、タロット占い・易占い・手相全てにおいて吉凶が出た日、特に夜はそこに行ってはいけないと・・・・・。
吉凶の日は当日郵便によって知らされる。
実際に吉凶通知をもらった人がいたのだ。
近所に住んでいるあたし達よりも2歳年上のお兄さんの彼女だった人だった。
彼女は、その通知を気に求めず夜に山に行ったそうだ。
その日、お兄さんは最愛の人を失った。
だから絶対、夜にはいけなかった。
光はやさしくてあたしが嫌がることはしない子だった。
ひかるのお葬式で、あたしが悲しんでいたから、泣いていたから、これからもあたしの側にいようって思ったんだって。
小学校から中学校へ、中学校から高校へと進むにつれて、葵との交流がなくなっていって、あの山に行くこともなくなった。
何時からかあたしは葵を男の子として意識し始めた。
そして、あたしと葵の関係はただの幼馴染から恋人へと進化していた
「ただいまー」
学校から帰って、家に入ると近所のお兄さんがきていた。
数年前に最愛の女性を失った人だ。
話によると、もうすぐ命日らしい。
そして、なぜかその女性らしき人物の目撃証言が何件か来ているとの事。
しかもそれは全て山でだった。
「ねえひかる、どう思う?」
「どう思うも何も。俺と同じってことだろ。」
つまりはそういうこと。
あたしはなんだか怖くなった。
でも、ひかるが手をつないでいてくれたから大丈夫だって思った。
ある日、あたしのバースデーをあたしとひかると葵でやる事になった。
「郵便でーす。」
「ん?誰からだろう」
差出人の名前はなく、あたしは封を開けた。
パサッ。
郵便が地面に落ちる。
その紙は、吉凶通知だった。
そこには条件という欄があり、いくつか条件がかかれてあった。
その条件はまさしく今日のことだった。
条件:自宅・パーティ・夜・パーティへの招待の手紙を出した日付
ピーンポーン。
チャイムが鳴る。
予想どうり、葵の到着。
「今日はお招きありがとう。」
といった葵が驚いた。
「ひかる!?」
どうやら、葵にもひかるが見えているらしい。
どうしてだろうか、今まで見えていなかったのに。
「なんで、ひかるがいるんだ?ひかり」
「前からいるって言ってたじゃない」
「あれはほんとだったのか・・・・」
「葵〜久々に葵と目が合ったな」
「本物・・・・・。」
「ってそれどころじゃねーんだよ、光がこんな物もらっちまったんだ」
「吉凶通知・・・」
葵はあたしからその通知を受け取り、急いで目を通す。
「ん?でもこれあってね−じゃん、パーティへの招待の手紙を出した日付。これじゃあ2日って書いてるけど俺もらったの3日だったぜ」
「う・・・うん。」
震えているひかり。
「大丈夫だって」
ひかるが手を握ってくれた。
「それに山に行かなきゃいーんだろ。」
「うん・・・・」
やはり、不安が取れないひかりに葵も手を握る。
そしてその日は何事もなくパーティーをしておわった。
その日は、葵も我が家にとまる事になった。
結局あたしは山には行かなかった。
このまま、無事に一日が終ると思っていた。
その後は、夢を見ていたような感じだった。
事実あたしはベットに入って、寝ていたはずだった。
なのにあたしは、山へ来ていた。
一人で。
そこで女の人が、「来てはいけません!!」と遠くから叫んでいる。
でも足があたしの意思では止まらない。
「ひかる・・・・葵・・・!!」
あたしは叫んだ。
その瞬間まばゆい光があたしを包み込んだ。
そして、あたしの体は軽くなった。
あたし、死んだの??
体から魂が抜けたの??
その時声が聞こえた。
「ひかり、ひかり」
「誰??ひかる??」
「どうする、俺と一緒に天界に行くか、それとも・・・・」
「まだ、いきたくない。いきたくないよ
このまま、葵とお別れなんかいやだよ。」
「わかった・・・・。」
あたしはこっちに残った、魂として。
そして、ひかるはいつも手をつないでくれてる。
ただ、あたし達の姿が葵には見えないだけ。
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