「此処の部屋を使うといいだろう。」
「すみません、九能先輩。」
「何、いいのだ」
そういって、九能先輩は去っていった。
九能先輩変わったなあ。
九能先輩やなびきお姉ちゃんが高校を卒業してから1年も経ってないのに、すっかり落ち着いた。
あたしはいつまでたっても、子供のままだなあ。
疲れたのか、ベットに横たわって寝てしまった。

コンッ。
「ん〜?」
夜中、部屋の窓に何かがあたった音であかねは起きた。
コンッ。
再び何かがあたったような音でしかたなくあかねは窓のほうへ行った。
ガラッ。
「もう、なによぉ〜」
窓を開けて、外を覗き込むあかね…。
「乱馬っ…。」
そこには昨日まで許嫁だった少年が木の上に座っていた。
あかねは、彼の姿をみるなりうしろをむいた。
彼を直視することを、今の彼女には出来なかったから。
「ようっ…」
そう言うと彼は部屋の中へ入ってきた。
「何の用?…」
あかねは後ろを向いたまま言葉を発した。
「いや、あの…俺納得いかねーんだよ。」
少しいいにくそうに、それでもいつもよりは強気でいう彼。
「婚約解消のこと…?」
「それも確かにそーなんだけど…なんで?あかねが出て行くんだよ??わかんね―よ、俺。」
「……」
あかねは何も答えない。
「そんなに俺が嫌いかよ?」
「ちがっ…そうじゃない…」
それでもなお、後ろを向いているあかねの腕を彼はつかみ彼女を自分のほうへと向かせた。
「じゃあ、何で俺を見ない?」
「…っ…」
彼女は思わず彼の目線から逃げようとするが、どうやらそれは出来そうに無く。
彼女はゆっくりと言葉を発した。
「決心が鈍りそうだから…乱馬の顔を見てしまうと家をでたくなくなるから…」
「それじゃあ、家にいたらいいじゃねーか。」
そう言う彼に、彼女は首を横に振る。
「それじゃあ、駄目なのよ。このままじゃ嫌なの。」
彼は彼女が何を言いたいのか良くわかんなかった。
ただ、彼女が真剣なのは分かった。
「分かった…俺は家で待ってるからいつでも帰ってこいよ。」
そういって、彼は窓から出て行った。
「乱馬…」

それから、あたしは九能家で居候しながら右京のお店でアルバイトしたり、小太刀に琴を習ったり、家元のおばあさんに茶道を習ったりした。
もともと不器用だったけど、3ヶ月がんばってやったら何とかこの生活にも慣れてきた。
そんな時、あたしのもとにある知らせが届いた。

  

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